土佐蔵での仕込みをスタートした「酔鯨」。最新鋭の設備を駆使したプレミアムな酒造り

酔鯨酒造株式会社 製造責任者・土佐蔵杜氏 明神真さんは、入社して21年目。

国内外に広まる酔鯨ブランド。新工場を設立し製造量を増強

酔鯨は、高知市唯一の酒蔵。坂本龍馬の銅像でも有名な桂浜のある浦戸・長浜地区に位置しています。「酔鯨」は、豊かな米の風味とキレのある食中酒として全国的に知られる銘柄です。近年、酔鯨の技術の粋を集めたハイエンドシリーズも登場し、国内はもちろん海外への展開にも力を入れています。昨年5月には、土佐市に新工場を設立し、今年の9月から製造もスタートしました。新設された”土佐蔵”は、約17,000平方メートルと今の工場の約5倍の広さを誇ります。

「製造数量が増え長浜の工場が手狭になったため、数年前から本格的に新工場の建設に着手しました」と語るのは、酔鯨酒造の製造責任者、土佐蔵の杜氏を務める明神真さん。「最初は高知市内で土地を探しましたが、まとまった広さがなく、候補地を土佐市に広げたとこで理想の土地が見つかりました。将来的に、長浜の本社を移転できる広さであることも条件でした」。

醸造場とショップが併設された土佐蔵。見学可能。

土佐蔵での仕込みがスタート。ハイエンドな日本酒造りに特化

本社から約20キロ離れた、自然豊かな土佐市甲原にある土佐蔵。兵庫県特A地区の山田錦などの高品質な酒米を使用し、酔鯨の中でもハイエンドシリーズをはじめ、プレミアムな日本酒の製造に特化しています。「新しく蔵を設計するにあたり、ひとつひとつの工程を見直しながら最敵な環境を整えました」(明神さん)。工程ごとに部屋が分かれ温度や湿度を細かく管理できるなど、最新の酒造りの設備が整っています。

土佐蔵での大きな変化は、自家精米ができるようになったことです。高知市内では騒音になるため精米機が使えず、これまでは委託精米に頼っていました。同一品種、同一精米歩合の酒米を使用したラインナップ展開を行っており、米へのこだわりも酔鯨の特徴です。最新鋭のオリジナル洗米機や蒸米放冷機などもあり、米の温度や水分量、外気温との兼ね合いなどを考慮した細かな調整が可能になりました。

工場内には最新鋭の機器が揃う。上:縦型精米機 下:自動洗米機

最新鋭の設備が整っていますが、大切なのは人間の感覚だと明神さんは語ります。「私たちがコントロールできるのは、温度と水分量のみ。調整には人の判断が求められるので、それぞれの機械のクセを知ることも大切です。それによってできる酒質も違ってくるんです」

蒸米放冷機とコントロールパネル。米が流れるネットのスピートやファンの回転数など細かく設定できる。

酔鯨が目指す酒。時代に合わせた食中酒を追求

今年は、全体で約5000石、土佐蔵だけで600石を製造しています。フル稼働することで、2000石まで造れる設備になっているそうです。仕込み水は本社蔵と同じ高知市の北部にある土佐山地区の湧水をトラックで運び込んで使用し、酒質が本社と変わらないよう配慮しています。

仕込みタンクの温度管理もデジタルで調整。

時代によってさまざまな変化はあっても「酔鯨の骨格は変わらない」と明神さん。穏やかな吟醸香にほどよい酸味、しっかりとしたキレの良さで食事の美味しさを引き出すこと。これからも食事に合わせて楽しめる”食中酒”であることを追求しています。

2019年4月よりギャラリー内にカフェをオープン。

車で来たお客様や子供さんにも、もっと楽しんでいただきたいという思いからノンアルコールメニューを中心とした「SUIGEI SAKE LAB CAFÉ」をオープン。酒粕や甘酒を使用したオリジナルのスイーツメニューやドリンクメニューを提供。

[おすすめの一本]

「純米大吟醸 DAITO」
酔鯨ハイエンドシリーズの最高峰。兵庫県特A地区・東条産の山田錦を使用し、30%まで精米、プレミアムな造りの純米大吟醸酒。2018ビンテージは金箔工芸作家である裕人礫翔氏によるデザインがベース。2018年ロンドンIWCで金賞を受賞。

[蔵内・参考資料]

併設のショップでは「純米大吟醸 DAITO」のヴィンテージを華やかに展示。

プレミアム商品やグッズが陳列。フランスのクリストフル社とのコラボグラスも。

各種商品のプレミアム商品の試飲・購入もできる。

二重扉になった入口。なるべく雑菌が入り込まないようなシステムに。

ステンレス製の甑。レール上を稼働する。

麹室内。温かい空気が布に充填され、温度や湿度を緩やかに調整する仕組み。

醪の仕込みタンクは3500リットルが20本。酵母は主に、熊本酵母(KA-1)を使用。

土佐蔵前のスペース。イベント開催も予定している。

 

[DATA]

酔鯨酒造株式会社
本 社:高知県高知市長浜566-1
土佐蔵:高知県土佐市甲原2001番1
1872(明治5)年創業し、1969(昭和44)年から酔鯨酒造に。土佐藩主である山内容堂侯の雅号「鯨海酔侯」から、2文字とって「酔鯨」と命名した。商品は、「酔鯨」を中心に、酔鯨ハイエンドシリーズにも注目が集まる。焼酎やリキュールも製造。

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