「土佐一本釣りの町」久礼で日本一、鰹のたたきに合う酒を醸す

有限会社 西岡酒造店 代表 西岡大介さん。

漁業の盛んな土佐久礼にある創業約240年の酒蔵

高知駅から最寄りの土佐久礼駅まで特急で約1時間。近くにある「久礼大正町市場」は、新鮮な魚介が味わえる高知の観光スポット。また、黒潮の流れにのって集まった鰹を釣り竿一本で豪快に釣り上げる「鰹の一本釣り」も有名です。近海でとれた新鮮な鰹が番美味しく味わえる場所として多くの観光客が訪れます。


西岡酒造から歩いて5分ほどにある久礼大正町市場

この漁業の町「久礼」で、創業1781(天明元年)の西岡酒造店は約240年間酒造りを続けています。現在は、10代目の西岡大介さんが蔵を受け継いでいます。蔵には酒蔵ギャラリーが併設され、昔ながらの酒造りの道具や酒器などを閲覧することができます。代表銘柄のひとつでもある「純平」は、地元を舞台にした物語故青柳裕介の漫画『土佐の一本釣り』の主人公の名前。原画や映画のポスターなども飾られ、久礼に長く根付き、地酒を醸してきた西岡酒造の地元愛が感じられました。


陶製の樽など、酒器が並ぶ。「雪柳」は200年以上続く銘柄。

1980年に映画化された時のポスター。

蔵に刻まれた長い歴史 受け継いできた酒造りの技

高知県内最古である江戸時代中期に建てられた蔵は、あちこち補修されながらも健在です。古い木の柱や壁に積み重ねてきた歴史が感じられますが、掃除を徹底しているため清潔感が保たれています。「屋根も竹を編んだものの上に土が乗って、その上に瓦が乗っている昔ながらのつくりです」と西岡さん。天井に設置された木の滑車は、今も現役で2階への荷物の上げ下ろしに使われています。


2階へ荷物を運ぶための滑車。

ひんやりとした仕込み室では、10月〜翌3月までのフル稼働、2日で1本のペースで仕込んでいます。戦時中、お米がなくてお酒が造れないとき、仕込み室が映画館として使われていて、地元の人の憩いの場になっていたというユニークなエピソードも伺いました。


空調設備のある仕込み室。

清潔で広々とした釜場。

四国の米にこだわって、高知の料理に寄り添う味わいに

「230年前、先祖がここに蔵を建てたのは、ここにいい水があったから」と西岡さんが語る西岡酒造の仕込み水は、地下水を組み上げています。近くを流れる四万十川の源流地域の伏流水です。また、酒米は吟の夢、松山三井、土佐錦など四国産の米にもこだわります。


店内で購入できる「久礼」シリーズ。

そして、西岡酒造の人気商品といえば、町の名前を取ったお酒「久礼」・もともと久礼は、「日本一鰹のたたきに合うお酒」として、県外の飲食店向けに造ったお酒。鰹の旨味を受けとめるしっかりとした旨味や酸味があり、スッキリとキレのよい味わいが見事に鰹にマッチします。今や県外で話題となり県内でも人気商品になりました。「地元の米と水にこだわって、地元の食事に合う地酒をつくる、それが一番の蔵のコンセプト」と西岡さん。高知の酵母をベースに自社培養の酵母を使用。しっかりと酸味とキレのある久礼の味わいを形づくっています。久礼を訪れたら、大正町市場で鰹のたたきと「久礼」をあわせてみてください。


鰹の旬は、初鰹が3〜5月、戻り鰹が10〜11月。

【おすすめの一本】

「久礼 純米辛口」

日本酒度+10と、スッキリとしたキレの良さが魅力。鰹のたたきなど、漁師町である豪快な土佐の料理とマッチ。いつまでも飲み飽きせずに飲んでいられて、食事に合わせて楽しめる酒。冷・燗どちらもおすすめ。

 

【蔵内・参考資料】


壁や天井には竹が使われている。

江戸時代から続く木製の造り。

搾りは「ヤブタ式」と呼ばれる自動圧搾ろ過機。

蔵の入り口で、お酒や酒器などが購入できる。

昔使っていた釜。現在はボイラーを使用。

長い歴史が感じられる帳面なども。

酒蔵向かいにある倉庫。

[DATA]

有限会社 西岡酒造店

高知県高岡郡中土佐町久礼6154

江戸時代中期、1781年(天明元年)創業。高知最古の酒蔵として長い歴史をもつ。四万十川源流付近の伏流水を使用し、四国産のお米にこだわり、地元の料理に合う酒造りを目指す。県内外で有名な「久礼」をはじめ、「純平」「雪柳」など県内流通の商品も多数。

 

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