土佐十八酒蔵図鑑

幻の栗焼酎「ダバダ火振」は、日本酒蔵で生まれた。

四万十町の自然の恵で造る焼酎。

高知県の西部に位置する四万十町は、日本最後の清流とも言われる四万十川が流れ、美しい里山の風景が今でも残っています。森林率は95%を超え、自然や生態系も豊かな土地。無手無冠は、四万十町に日本酒の蔵として1893年に創業されました。

四万十川の美しい風景。
その長い蔵の歴史の中、1985年転機が訪れます。四万十川周辺の山には、たくさんの栗が栽培されていました。落ちた栗を求めて猪が田畑を荒らす様になり、町から「栗でお酒を作ってくれませんか?」と依頼を受けました。そこから栗限定の蒸留免許を取得し、試行錯誤して完成したのが、現在の看板商品である栗焼酎「ダバダ火振」です。

無手無冠の看板銘柄である栗焼酎「ダバダ火振」。
「最初は全く売れませんでした。もちろん味には自信がありましたが、高知県は日本酒が強い土地で、焼酎を飲む文化がなかった。東京や大阪へ移住した町の出身者へDMを送ったところ、地元の栗を使った焼酎を応援したいと買ってくれた方から、徐々に広がっていきました。」と、無手無冠の番頭である福永太郎さんが教えてくださいました。 また1999年にJAL国際線の機内販売用の焼酎に「ダバダ火振」が採用され、販売から2ヶ月で完売。以降、人気に火が付き、なかなか手に入らない幻の焼酎となりました。

「ダバダ火振」に使われるブランド栗。

「ダバダ火振」に使用される四万十栗は、大きく糖度が高いことが特徴。質がいいため、ブランド栗として和菓子などにも使用されるようになりました。

「ダバダ火振」の仕込みの様子。
焼酎は1年中仕込むため、仕入れた栗は冷凍で保存されます。冷凍することにより、甘みが増し、さらには栗にいる虫が命の危機を感じ自ら出ていくという利点があります。

大きくて糖度の高い四万十栗。
山の急斜面で栽培される四万十栗は、生産者が高齢化とともに生産数がピーク時の3分の1にまで落ち込むこともあったそう。現在は、四万十産の美味しい栗を残そうと、町や蔵をあげて栗山の再生をし、少しずつ戻ってきています。

蔵人が栽培した無農薬のヒノヒカリで醸す。

無手無冠では、現在も日本酒が造られています。その多くは生原酒タイプ。昔、四万十町の林業に携わる方々が、仕事帰りに酒蔵に寄って、日本酒を飲み、仕事で疲れた体を癒していました。アルコール度数の高いお酒を好んで飲む方がいたため、生原酒のお酒が多く造られるようになりました。 キャプション:酒造り体験教室の田植え。有機肥料と紙マルチによる無農薬栽培の米作りから、作ったお米を使ってのお酒造りまで体験できる。 地元で育ったお米の「地酒」にこだわる無手無冠の日本酒造りは、蔵人自らが契約農家の田んぼで作った無農薬の食用米ヒノヒカリを使用。無農薬栽培は雑草との戦いですが、黒い和紙を田んぼに敷いて日光を遮断し、その上から穴を開けて苗を植えていく環境に優しい“紙マルチ栽培”という栽培法を採用しています。

若い人でも手に取りやすい印象的なパッケージデザイン。
2017年、山本勘介さんが5代目 代表取締役に就任。代変わりともに無手無冠のパッケージを現在のデザインにリニューアル。現在のデザインに変わり、流行に敏感な女性のお客さんがジャケ買いをするほど人気となりました。また、杜氏の喜田さんがチャレンジする新しいお酒からも目が離せません。昨年は蔵の歴史の中で初めての大吟醸を造り、2020年の今年はスパークリング日本酒を販売する予定です。

おすすめの1本

「無手無冠鬼辛 鬼辛(本醸造)」
とてもめずらしい本醸造の生原酒。甘みを残さないように十分に発酵させ、味わいは濃厚ながらも喉越しにキレがありフレッシュ。地元四万十の山の幸である猪肉の鍋や、鮎の塩焼きなどとの相性も良い。手に取りやすい価格で、毎日の晩酌に最適。

麹づくりをしています。

静寂な酒蔵の室の中に、米の擦れる音だけが響き渡ります。

ラベルに糊をつけ、1本ずつ丁寧に手貼りしています。

応募総数122点の地場産品の中から、2019年高知家うまいもの大賞の準グランプリに輝いたリキュールの「無手無冠 ゆず」。

「無手無冠 ゆず」が、四万十町の農家さんの無塩手搾りのゆずをたっぷりと使っています。

「DATA」

株式会社無手無冠
高知県高岡郡四万十町大正452
会社説明:1893年に酒蔵を創業。1985年より四万十栗を使った栗焼酎の蒸留を開始し、1999年には看板商品である栗焼酎「ダバダ火振」JAL国際線の機内販売用の焼酎に採用され人気が広がる。2000年には、リキュールの製造を開始。「無手無冠 ゆず」は2019年の「高知うまいもの大賞」で準グランプリを獲得した。

どろめ祭りの街で醸す、高知県素材100%の「豊能梅」

赤岡町に根ざす高木酒造

香南市赤岡町は、高知県の中央に広がる香長平野の東南にある海に面した街。イワシの稚魚どろめ(しらす)や塩が特産物で、江戸期には商業の街として栄えていました。赤岡町に根ざす高木酒造は、1884年にこの地で創業。毎年4月に赤岡町で開催される「どろめ祭り」には、世界各国の酒豪が集まり、メインイベント「大杯飲み干し大会」では、代表銘柄の「豊能梅」の普通酒「楽鶯」が酌み交わされています。 代表銘柄の「豊能梅」 「豊能梅」のラベルをよく見ると“能”の字が、簡略化されているように見えます。実は、これは変体仮名の“の”。仮名文字が50音に統一された1900年ごろに、すでに存在する銘柄ということを表すために、今残してあるそうです。
近年「SAKE COMPETITION」や「IWC」他、国際的な審査会での受賞歴もあり、酒質が高いと認められています。

美味しさの秘訣は、こだわり抜く地元素材と発酵管理。

高木さんが「一口飲むと高知を感じられる」という、高木酒造の多くの日本酒は、地元の素材100%で造られています。
仕込み水は、蔵のすぐ側を流れる物部川の伏流水。
日本三大鍾乳洞にも数えられる「龍河洞」があるこの地域は、カルシウムなどのミネラル分を適度に含んだ水質で硬水の性質を併せ持つ中軟水です。ミネラル分が多く含まれると、発酵がしっかり進みやすく、軟水らしい口当たりが柔らかい点が、蔵の酒造りの酒質を決めるポイントにもなっているそう。
蒸米を広げて、お米を冷まします。 積極的に使用している高知県産の酒造好適米である「吟の夢」は吟醸酒、「土佐麗」は純米酒と、お米の個性によって使い分けられています。
高木酒造で造る日本酒は、高知県の工業技術センターで育種された高知独自の品種を、造りたい酒質に合わせてひとつひとつ酵母を変えて選択され、15種類以上もの原酒が生み出されています。大吟醸・純米大吟醸はリンゴに近い様な香りがあるCEL-19やCEL-11という酵母で低温発酵させ、純米酒は軽やかな男酒のイメージに近い酵母で発酵させているそう。高知でいう一般的な男酒とは、キレがあって少し酸がある様な辛口を指します。
種麹を散布します。 2019年度から杜氏をされている6代目 高木一歩さんに、美味しさの秘訣をお伺いしました。「もろみの発酵管理するときに、酵母に負担をかけないようにしています。酵母に無理をさせると癖が残ってしまいますので、綺麗なお酒が造れるよう、意識的に行っています。杜氏になったばかりなので、技術を継承しながら、同じ方向性でレベルを上げていきたいです。」と語ります。 「東京農業大学で実際に酒造りをして、お酒に興味を持ち、在学中は高知のアンテナショップのレストランでのアルバイトをしていました。その時に、お酒と料理のペアリングの奥深さを知ったり、たくさんの日本酒ファンの方と交流することができ、地元高知を盛り上げたいという思いが生まれました。」と高木さん。 大学を卒業後は、都内の日本酒に特化した販売店で3年修行した後に、2017年に蔵へ戻り5代目の指導の下、2019年に杜氏に就任しました。

夏に仕込む。早場米での日本一早い酒造り。

お酒造りの期間は、「寒造り」と呼ばれる秋から冬にかけてがメインの時期となりますが、高木酒造では、先々代の頃から夏仕込みもしているそう。というのも、高知県は、植付けが早く、早い時期に収穫する早場米が有名な地域。
醪に蒸米を入れながら混ぜていきます。 この早場米を使った濁り酒「豊能梅 おり酒」を8月に仕込みます。9月の上旬には出荷され、その年の新米を使って醸すお酒としては、日本一の早さを誇ります。2010年に開催された第5回日本全国美酒鑑評会・個性派部門にて「準大賞」受賞し、高知の広い地域で飲まれる濁り酒として愛されています。
地元で人気の濁り酒「豊能梅 おり酒」

おすすめの1本

【「土佐金蔵 土佐麗 特別純米酒」
6代目 高木一歩さんが、「土佐麗」精米60%を使用して2019年から製造をスタート。酵母・水も全て高知の素材を取り入れた。バナナ、メロンを連想させる軽やかで甘い香り、味わいは透明感があり爽やかな酸味が特徴の辛口。燗酒も冷酒もどちらにも適している。
メインの発酵が行われる仕込み蔵の入口。135年前の土壁や柱が残っています。
仕込み蔵の中の様子。並んでいる発酵タンクには多様な品種の酵母それぞれに適切な冷却ができるよう冷水の循環装置が備わっています。
甑(こしき)で米を蒸している様子。
麹用の蒸米を少量ずつ運びます。
高木酒造株式会社 住所:高知県香南市赤岡町443 1884年創業者である高木熊太郎が売り出した酒は「喜久娘」の銘柄で親しまれた。1928年、同じ町内にあった寺尾酒造の廃業を機に、同社の銘柄「豊能梅」を譲り受けることになる。1998年高知県産酒造好適米「吟の夢」の誕生を契機に「高知県素材100%」の酒造りに取り組んでいる。

坂本龍馬をイメージした土佐の酒「美丈夫」 “飲んで旨い酒”を追い求めて完成

有限会社濵川商店 代表取締役社長 濵川尚明さんと営業の北岡隆志さん。

4代目からはじまった銘酒「美丈夫」シリーズ

「美丈夫」の銘柄で知られる濵川商店は、高知県東部、安芸郡田野町に位置しています。土佐湾にも近くを流れる奈半利(なはり)川上流には、高知県の県木「魚梁瀬(やなせ)杉」を有する魚梁瀬地域があり、昔から製材の町として知られています。 代表銘柄である「美丈夫」が造られるようになったのは、4代目であり取締役社長の濵川尚明さんになってから。先代の社長や蔵人の反対を押し切って吟醸酒造りをスタートし、労の末誕生したお酒です。「美丈夫」とは容姿の美しい男性を表し、土佐を代表する坂本龍馬をイメージしています。土佐の酒は淡麗辛口である、という固定概念を覆すような、キレがありながらも、甘みを含んだやわらかい口当たりに、県内外のファンも多いです。 デザイン一新した「美丈夫」シリーズ。金箔の丸マークは、初代・金太郎にあやかる。 以前は新商品が出るたびに、ラベルや書体を変えていたそうですが、4年前にコーポレイト・ブランディングを見直し、ラベルも一新。現在は、土佐の風景写真をモチーフにした統一感のあるスタイリッシュなラベルです。「SAKE COMPETITION」での受賞をはじめ、JALのファーストクラスで提供されるお酒にも3年連続で選ばれるなど、酒質も高く評価されています。

■ 美しい森林地帯からくる超軟水が醸す酒

濵川商店の酒の要となる仕込み水は、奈半利川の伏流水。上流付近は、安芸郡馬路村の勘吉森 という森林地帯であり、日本屈指の多雨地帯。そのため水質は超軟水で、きめ細やかで柔らかい口当たりの吟醸造りに適した水です。 美丈夫のベースとなる大事な仕込み水。 酒米には、最高峰である兵庫県産山田錦を使用し、さらに、プレミアムなお酒には、特A地区に指定された東条でとれた酒米も使用しています。ほかにも、松山三井やしずく媛、吟の夢など四国産のお米も使用し、その土地ならではお酒も醸しています。さまざまなお米の特徴をうまく捉えて、美丈夫の味を造り出しているのが、濵川商店で13年杜氏を務める、ベテラン杜氏の小原昭さん。杜氏を含め蔵人9人(2019年)、平均年齢が30代後半で若いメンバーで酒造りに取り組んでいます。 手際よく作業にあたる若い蔵人たち。

■ 徹底した温度管理が生み出す味わい

土蔵2階建ての酒蔵は、2014年に有形文化財に登録。古い歴史が刻まれた蔵ですが、お酒の製造や保存のため、温度管理がしっかりできる冷蔵設備が整っているのも大きな特徴です。仕込みタンクは、すべて温度管理のしやすいサーマルタンクを利用。さらに、酒を搾るための自動圧搾機も冷蔵状態で管理され、仕込みから瓶詰めまでの急激な温度変化を防ぎます。搾ったあとは瓶詰めして、瓶のまま1回火入れ。その後、お酒の香味をなるべく損なわないよう、瓶のまま2℃の低温で貯蔵されます。 すべての仕込みをサーマルタンクで管理。 瓶の状態で飲み頃になるまで適度に寝かせるのも「美丈夫」の美味しさの理由のひとつ。そのため、敷地内には大きな冷蔵庫がいくつもあり、何万本というお酒が、出荷の時を待っています。2019年7月に新しい冷蔵庫が完成し、今後も品質を落とさないよう調整しながら、生産量を増やす方向だそうです。 瓶のまま何万本単位で貯蔵できる巨大な冷蔵庫。 海外進出は20年ほど前からはじめていて、現在は、シンガポールやフランス、香港など13カ国へ輸出しています。特にシンガポールの伸びが著しく、イベントでブース出展をするなど積極的に展開しています。一方で、地元ファンづくりのため、飲食店と組んでイベントでお酒を提供するなど、県内消費の拡大にも力を入れています。「やはり、地元の人にもお酒を飲んでほしいですね」と小原さん。地元で愛される地酒、本当に旨い酒を目指し、酒質の向上に取り組んでいます。

[おすすめの一本]

「美丈夫 純麗たまラベル」
きめ細やかでやわらかい口当たりに、控えめな柑橘系の吟醸香が爽やかに香る。米のふくらみがありながら、後口にはシャープなキレも。濃い味付けの料理でも、口を洗い流してくれるので、次の料理を新鮮な気持ちで楽しめる。猫のたまのシルエットがラベルに描かれているのも可愛らしい。濵川商店の定番とも言える人気のお酒。

[蔵内・参考資料]

2階にある麹室は、平成28年竣工と新しい。 少量仕込みのサーマルタンクも。 自動圧搾機も冷蔵された室内にある。 瓶内に異物がないかの最終チェック。 瓶のまま約65℃のお湯につける瓶燗火入れ。 柚子リキュールも海外へ出荷。 改装前の蔵の一部が登録有形文化財に指定されている。

[DATA]

有限会社濵川商店 住所:高知県安芸郡田野町2150
(蔵の概要・歴史 140w)
1904(明治37)年、濵川金太郎により創業。江戸時代から明治にかけて、廻船問屋を営み、木材を京阪神へと出荷していた。創業時の銘柄は、屋号からつけた「濱乃鶴」。1991(平成3)年に誕生した吟醸酒シリーズ「美丈夫」が現在の主力銘柄。日本酒のほか、発泡日本酒や柚子リキュールなども製造している。

トレードマークは虎!IWC純米酒部門で入賞を果たす実力派 肉にも合う爽快でふくらみのある味わい

有光酒造場 社長 有光尚さんと奥様の佳子さん。

“安芸虎らしさ”のある酒質を追求

「安芸虎」を醸す有光酒造場は、創業100年以上の造り酒屋。高知市の東側に位置し、東西約4キロメートルに広がる「琴ヶ浜」を目の前に、背後に山々が広がります。自然豊かな環境のなか、昔ながらの手造りにこだわった酒造りを続けています。近くを流れる赤野川の伏流水は、優しくまろやかな軟水。その水から生まれるのは、しっかりとした厚みやふくらみのありながら、爽やかな酸味のある酒です。 10日目の醪。穏やかなバナナのような香りがたつ。 20年前は、杜氏も務めていたという社長の有光尚さん。「土佐の酒は、差しつ差されつ飲む酒。自分が杜氏のときは、ずっと返杯を続けても心地よく飲める酒、いわゆる土佐らしい淡麗辛口な酒を目指していた」と語ります。しかし、県外の地酒専門店へ持っていくと「個性がない」と言われ、なかなか売れなかったそう。 現杜氏の尾木芳之さんに交代してから、安芸虎らしい特徴のある酒を目指し、酒質を向上させていきました。しっかりと酸を出した酒、甘みと酸のバランスのとれた酒、そして、食事のときに飲んで美味しい酒が安芸虎の大きな特徴になっています。

基本は手造りの少量仕込み

「その頃は、酸度の低いほどいい酒だという固定概念があったので、最初は、酸のある酒が造りたいという尾木に『酸っぱい酒なんて、とんでもない。やめてくれ』と言っていました。でも、これが県外に持っていっても良いと言われるし、若い人も美味しいというので、まあ、しょうがないなと」と有光さんは言いながら、おおらかに笑います。酒造りは尾木さんを任せてからは、経営や営業に力を入れるようになったそうです。 杜氏の尾木芳之さん 倉庫として使われている蔵内の2階は、大きな天井の梁があったりお酒や古い道具が収納されたり、江戸時代の面影を残しています。昔は、麹室から出した出来たての麹を冷やす場としてや酛場としても使われていたそうです。長い歴史が感じられる一方で、「ヤブタ式」と呼ばれる機械の力で酒を搾る自動圧搾機など最新の設備も取り入れています。また、醪を仕込む場所にも冷蔵設備を設置。低温を保てるため、安定した酒造りが可能になっています。 2階の倉庫。紐を利用して、荷物の上げ下ろしを行う。 もともとは、全量槽搾りで行われていたが5年前からヤブタ式に。

国内から世界へ! 海外営業も積極的に

現在は、尾木杜氏を含めて蔵人5人が酒造りに従事しています。製造量は250石。そのほとんどが、純米酒です。また、すべて無濾過で瓶詰めを行っているのも、安芸虎のしっかりした味わいの秘訣。酒米は、高知県でできた酒造好適米品種「吟の夢」を中心に、松山三井や土佐錦、徳島の山田錦、岡山の朝日、雄町、広島県の千本錦、八反錦などと10種類以上。酵母も高知県で培養されたAA系、協会酵母などを数種類、比較的香りが穏やかなもの使用しています。
醪を仕込む冷蔵蔵。冬場は7℃になる。
ロンドンのIWCやフランスのKura Masterなど、国際的なコンテストでも高い評価をうける「安芸虎」。国内はもちろん、最近では海外の輸出にも力を入れています。現在は、アジアを中心に、スペイン、ドイツなどの欧州にも広まっているそうです。有光さんは、「今後もますます伸ばしていきたい」と語っていました。 昔ながらの銘柄「玉川」も、少量ながら今も造られている。

【おすすめの一本】

「安芸虎 山田錦純米酒80%精米」
しっかりとした味わいのボディ感がありながら、爽やかなキレの良さもある。味の濃い料理とも相性が良く、燗にするとより味のふくらみが感じられる。2017年、世界最大規模のワイン品評会IWCの純米酒部門でブロンズ賞、フランス人が選ぶ日本酒「Kura Master」の純米部門でプラチナ賞を受賞

【蔵内・参考資料】

蔵の入り口にある看板。 入ってすぐに瓶詰めする作業場がある。 麹室:壁と屋根裏に50cmほどの厚さにモミガラが敷詰めて保温性を保つ。 2階の倉庫では、瓶詰めして熟成中のお酒も並ぶ。

【DATA】

有限会社 有光酒造場 住所:高知県安芸市赤野38-1 創業1903(明治36)年。江戸時代から使われていたという酒蔵を買い取り、修理・改良しながら引き継ぐ。安芸市を流れる赤野川のやわらかな伏流水を仕込み水として、少量手造りに徹する。銘柄名の「安芸虎」は、戦国時代の武将「安芸國虎(あき・くにとら)」が由来。
トレードマークの凛々しい虎。

「土佐一本釣りの町」久礼で日本一、鰹のたたきに合う酒を醸す

有限会社 西岡酒造店 代表 西岡大介さん。

漁業の盛んな土佐久礼にある創業約240年の酒蔵

高知駅から最寄りの土佐久礼駅まで特急で約1時間。近くにある「久礼大正町市場」は、新鮮な魚介が味わえる高知の観光スポット。また、黒潮の流れにのって集まった鰹を釣り竿一本で豪快に釣り上げる「鰹の一本釣り」も有名です。近海でとれた新鮮な鰹が番美味しく味わえる場所として多くの観光客が訪れます。 西岡酒造から歩いて5分ほどにある久礼大正町市場 この漁業の町「久礼」で、創業1781(天明元年)の西岡酒造店は約240年間酒造りを続けています。現在は、10代目の西岡大介さんが蔵を受け継いでいます。蔵には酒蔵ギャラリーが併設され、昔ながらの酒造りの道具や酒器などを閲覧することができます。代表銘柄のひとつでもある「純平」は、地元を舞台にした物語故青柳裕介の漫画『土佐の一本釣り』の主人公の名前。原画や映画のポスターなども飾られ、久礼に長く根付き、地酒を醸してきた西岡酒造の地元愛が感じられました。 陶製の樽など、酒器が並ぶ。「雪柳」は200年以上続く銘柄。 1980年に映画化された時のポスター。

蔵に刻まれた長い歴史 受け継いできた酒造りの技

高知県内最古である江戸時代中期に建てられた蔵は、あちこち補修されながらも健在です。古い木の柱や壁に積み重ねてきた歴史が感じられますが、掃除を徹底しているため清潔感が保たれています。「屋根も竹を編んだものの上に土が乗って、その上に瓦が乗っている昔ながらのつくりです」と西岡さん。天井に設置された木の滑車は、今も現役で2階への荷物の上げ下ろしに使われています。 2階へ荷物を運ぶための滑車。 ひんやりとした仕込み室では、10月〜翌3月までのフル稼働、2日で1本のペースで仕込んでいます。戦時中、お米がなくてお酒が造れないとき、仕込み室が映画館として使われていて、地元の人の憩いの場になっていたというユニークなエピソードも伺いました。 空調設備のある仕込み室。 清潔で広々とした釜場。

四国の米にこだわって、高知の料理に寄り添う味わいに

「230年前、先祖がここに蔵を建てたのは、ここにいい水があったから」と西岡さんが語る西岡酒造の仕込み水は、地下水を組み上げています。近くを流れる四万十川の源流地域の伏流水です。また、酒米は吟の夢、松山三井、土佐錦など四国産の米にもこだわります。 店内で購入できる「久礼」シリーズ。 そして、西岡酒造の人気商品といえば、町の名前を取ったお酒「久礼」・もともと久礼は、「日本一鰹のたたきに合うお酒」として、県外の飲食店向けに造ったお酒。鰹の旨味を受けとめるしっかりとした旨味や酸味があり、スッキリとキレのよい味わいが見事に鰹にマッチします。今や県外で話題となり県内でも人気商品になりました。「地元の米と水にこだわって、地元の食事に合う地酒をつくる、それが一番の蔵のコンセプト」と西岡さん。高知の酵母をベースに自社培養の酵母を使用。しっかりと酸味とキレのある久礼の味わいを形づくっています。久礼を訪れたら、大正町市場で鰹のたたきと「久礼」をあわせてみてください。 鰹の旬は、初鰹が3〜5月、戻り鰹が10〜11月。

【おすすめの一本】

「久礼 純米辛口」 日本酒度+10と、スッキリとしたキレの良さが魅力。鰹のたたきなど、漁師町である豪快な土佐の料理とマッチ。いつまでも飲み飽きせずに飲んでいられて、食事に合わせて楽しめる酒。冷・燗どちらもおすすめ。

【蔵内・参考資料】

壁や天井には竹が使われている。 江戸時代から続く木製の造り。 搾りは「ヤブタ式」と呼ばれる自動圧搾ろ過機。 蔵の入り口で、お酒や酒器などが購入できる。 昔使っていた釜。現在はボイラーを使用。 長い歴史が感じられる帳面なども。 酒蔵向かいにある倉庫。

[DATA]

有限会社 西岡酒造店
高知県高岡郡中土佐町久礼6154 江戸時代中期、1781年(天明元年)創業。高知最古の酒蔵として長い歴史をもつ。四万十川源流付近の伏流水を使用し、四国産のお米にこだわり、地元の料理に合う酒造りを目指す。県内外で有名な「久礼」をはじめ、「純平」「雪柳」など県内流通の商品も多数。  

土佐蔵での仕込みをスタートした「酔鯨」。最新鋭の設備を駆使したプレミアムな酒造り

酔鯨酒造株式会社 製造責任者・土佐蔵杜氏 明神真さんは、入社して21年目。

国内外に広まる酔鯨ブランド。新工場を設立し製造量を増強

酔鯨は、高知市唯一の酒蔵。坂本龍馬の銅像でも有名な桂浜のある浦戸・長浜地区に位置しています。「酔鯨」は、豊かな米の風味とキレのある食中酒として全国的に知られる銘柄です。近年、酔鯨の技術の粋を集めたハイエンドシリーズも登場し、国内はもちろん海外への展開にも力を入れています。昨年5月には、土佐市に新工場を設立し、今年の9月から製造もスタートしました。新設された”土佐蔵”は、約17,000平方メートルと今の工場の約5倍の広さを誇ります。 「製造数量が増え長浜の工場が手狭になったため、数年前から本格的に新工場の建設に着手しました」と語るのは、酔鯨酒造の製造責任者、土佐蔵の杜氏を務める明神真さん。「最初は高知市内で土地を探しましたが、まとまった広さがなく、候補地を土佐市に広げたとこで理想の土地が見つかりました。将来的に、長浜の本社を移転できる広さであることも条件でした」。 醸造場とショップが併設された土佐蔵。見学可能。

土佐蔵での仕込みがスタート。ハイエンドな日本酒造りに特化

本社から約20キロ離れた、自然豊かな土佐市甲原にある土佐蔵。兵庫県特A地区の山田錦などの高品質な酒米を使用し、酔鯨の中でもハイエンドシリーズをはじめ、プレミアムな日本酒の製造に特化しています。「新しく蔵を設計するにあたり、ひとつひとつの工程を見直しながら最敵な環境を整えました」(明神さん)。工程ごとに部屋が分かれ温度や湿度を細かく管理できるなど、最新の酒造りの設備が整っています。 土佐蔵での大きな変化は、自家精米ができるようになったことです。高知市内では騒音になるため精米機が使えず、これまでは委託精米に頼っていました。同一品種、同一精米歩合の酒米を使用したラインナップ展開を行っており、米へのこだわりも酔鯨の特徴です。最新鋭のオリジナル洗米機や蒸米放冷機などもあり、米の温度や水分量、外気温との兼ね合いなどを考慮した細かな調整が可能になりました。 工場内には最新鋭の機器が揃う。上:縦型精米機 下:自動洗米機 最新鋭の設備が整っていますが、大切なのは人間の感覚だと明神さんは語ります。「私たちがコントロールできるのは、温度と水分量のみ。調整には人の判断が求められるので、それぞれの機械のクセを知ることも大切です。それによってできる酒質も違ってくるんです」 蒸米放冷機とコントロールパネル。米が流れるネットのスピートやファンの回転数など細かく設定できる。

酔鯨が目指す酒。時代に合わせた食中酒を追求

今年は、全体で約5000石、土佐蔵だけで600石を製造しています。フル稼働することで、2000石まで造れる設備になっているそうです。仕込み水は本社蔵と同じ高知市の北部にある土佐山地区の湧水をトラックで運び込んで使用し、酒質が本社と変わらないよう配慮しています。 仕込みタンクの温度管理もデジタルで調整。 時代によってさまざまな変化はあっても「酔鯨の骨格は変わらない」と明神さん。穏やかな吟醸香にほどよい酸味、しっかりとしたキレの良さで食事の美味しさを引き出すこと。これからも食事に合わせて楽しめる”食中酒”であることを追求しています。

2019年4月よりギャラリー内にカフェをオープン。

車で来たお客様や子供さんにも、もっと楽しんでいただきたいという思いからノンアルコールメニューを中心とした「SUIGEI SAKE LAB CAFÉ」をオープン。酒粕や甘酒を使用したオリジナルのスイーツメニューやドリンクメニューを提供。

[おすすめの一本]

「純米大吟醸 DAITO」
酔鯨ハイエンドシリーズの最高峰。兵庫県特A地区・東条産の山田錦を使用し、30%まで精米、プレミアムな造りの純米大吟醸酒。2018ビンテージは金箔工芸作家である裕人礫翔氏によるデザインがベース。2018年ロンドンIWCで金賞を受賞。

[蔵内・参考資料]

併設のショップでは「純米大吟醸 DAITO」のヴィンテージを華やかに展示。 プレミアム商品やグッズが陳列。フランスのクリストフル社とのコラボグラスも。 各種商品のプレミアム商品の試飲・購入もできる。 二重扉になった入口。なるべく雑菌が入り込まないようなシステムに。 ステンレス製の甑。レール上を稼働する。 麹室内。温かい空気が布に充填され、温度や湿度を緩やかに調整する仕組み。 醪の仕込みタンクは3500リットルが20本。酵母は主に、熊本酵母(KA-1)を使用。 土佐蔵前のスペース。イベント開催も予定している。   [DATA] 酔鯨酒造株式会社
本 社:高知県高知市長浜566-1
土佐蔵:高知県土佐市甲原2001番1
1872(明治5)年創業し、1969(昭和44)年から酔鯨酒造に。土佐藩主である山内容堂侯の雅号「鯨海酔侯」から、2文字とって「酔鯨」と命名した。商品は、「酔鯨」を中心に、酔鯨ハイエンドシリーズにも注目が集まる。焼酎やリキュールも製造。  

“土佐の小京都”と呼ばれる歴史ある町で 淡麗芳醇な吟醸造りにこだわる

藤娘酒造株式会社 代表取締役社長 矢部允一(よしかず)さん

“土佐の小京都”で受け継がれてきた酒造り

四万十川の河口付近、高知の西端に位置する旧中村市。公家出身の土佐一条氏の城下町でした。市街地が碁盤の目のように区画整理され、古い街並みや景観が京都に似ていることから、”土佐の小京都”とも呼ばれています。歴史の趣を感じる町で、藤娘酒造は、古くから酒造りを続けています。 「はっきりとは分かりませんが、江戸時代くらいからこの場所で酒造りを続けていたと言われています。戦時中の企業整備令によって他の酒蔵と合併しましたが、水質が良かったため、この製造場が残ったようです」と話すのは、藤娘酒造株式会社の代表取締役社長であり杜氏も務める、矢部允一さん。昔使っていた古い酒造りの道具、合併前の蔵名が入った陶器など、蔵内にはこれまで歩んできた歴史が刻まれていました。 火入れに使う熱交換急冷二重蛇管など。

早くから吟醸造りに取り組む

30年前に、都内から脱サラして蔵へ戻ったという矢部さんは、もともとは大型施設の火災防止設備の設計に携わるエンジニア。墨ろ過が当たり前だった頃から味をしっかり出すために無濾過に切り替えたり、米の表面が傷つくのを防ぐため極力洗い過ぎないようにしたりこれまでの酒造りの常識にとらわれない柔軟な発想で酒造りに取り組んできました。
「淡麗さのなかに、しっかりと膨らみのあるのがうちの酒の特徴」と矢部さん。昔から吟醸造りを得意としていて、過去の全国新酒鑑評会では通算9回金賞を受賞。食中酒としても、単独で飲んでも飲みごたえのある酒質です。 醪(もろみ)タンクからバナナやリンゴのようなフルーティな吟醸香が漂う。 酵母は、CEL-19などを使用。

娘と一緒に醸す酒

現在は、700石を生産し、蔵人5人で酒造りにあたります。お米は、高知県産「吟の夢」「土佐錦」、岡山発祥の「雄町」などを使用。四万十市富山地域の契約農家と提携した特別栽培米「吟の夢」からできる純米吟醸「とみやま」は、オーナー制で購入できる特別なお酒。地産地消を目指した取り組みにも注力しています。 東京でエンジニアとして働いていた娘さんも3年前に戻り、蔵の仕事を手伝っているそうです。「今は瓶詰めなどをやっていますが、来期からは酒造りをひと通り覚えてもらうつもり」と笑顔で話す矢部さん。次世代へ引き継がれることで、新たな「藤娘」が誕生する期待が高まりました。 親子で引き継がれる「藤娘」の味。

[おすすめの一本]「純米吟醸 四万十の風」

四万十流域で栽培される酒造好適米「吟の夢」を使用した爽やかな純米吟醸酒。ほのかな吟醸香にスッキリとした飲み口。淡麗でありながらしっかりとした味わいが広がり、キレも良い。冷やして飲みたい一本。  

[蔵内・参考資料]

酒造場の外観。四万十川の伏流水が貯水されたタンク。 酒米を蒸す窯場。古い道具が並ぶ。 蒸した米を冷やすために使う竹の筵(むしろ)。 麹室(こうじむろ)では、ホットカーペットで温度を調整することも。 合併された蔵の陶器樽が残る。 [DATA] 藤娘酒造株式会社
住所:高知県四万十市中村新町4-5
昭和18年、戦時中の政策によって旧中村市を含む幡多郡エリアの酒蔵11社がひとつに統合し、藤娘酒造が誕生。清流四万十川の伏流水を100%無濾過で使用し、水質の良さをいかした手造りの酒を目指す。「四万十の風」「藤娘」などが主要商品。

地元の米にこだわる高知で一番小さな酒蔵

清流四万十川の源流近く米づくりに恵まれた自然環境

大きく蛇行しながら続く四万十川の上流付近。文本酒造は、四万十町の窪川地域に昔から根付く、唯一の酒蔵です。平成28年、高岡郡窪川町、幡多郡大正町、十和村の3つの町が合併し四万十町に。文本酒造のある旧窪川町には、以前は、7〜8軒の酒蔵があったとか。標高220〜230mにある窪川盆地は朝晩の気温差が大きく、米づくりに適した環境。四万十川からの水も豊富で、美味しいお米が採れる地域として知られることから、酒造りが盛んだったことも頷けます。  「入駒」は、創業当初から続く銘柄。 「美味しいお米が採れるところなら、美味しいお酒もできるだろうと思い蔵に入りました」と語るのは、平成30年から文本酒造の副杜氏を担当する小笠原康眞さん。酒造りを始めてから、夏は田んぼで米づくりに励むなど、米には格別のこだわりがあります。現在は、吟の夢、風鳴子、フクヒカリと愛媛県産の松山三井の4種類の米を使用。高知県産の吟の夢は、お酒の仕込み水と同じ水を使用し、四万十町で育てたものを使います。来シーズンから、松山三井を土佐麗(とさうらら)に切り替えて全量高知産に。また、今期からは、地域の食用米としてブランド化された仁井田米を使った酒も新たなラインナップに加わりました。

米の旨み甘みを感じるまろやかな食中酒を目指す

文本酒造のお酒は、まろやかな優しい口当たりが特徴。米の旨みが感じられるうえに、キレもあります。「この地域では、お米はもちろん、アスパラやピーマン、海側に行くとみょうがなどの園芸作物が盛んです。また、豚や肉牛、乳牛の畜産農家も多いです。そういった地元の食材と合わせやすい酒にしたいです」と小笠原さん。地域の食べ物に合う、食中酒を理想としています。精米歩合も削ったもので50%。なるべく低精米にして、お米の旨みや甘みを引き出しているそうです。 一般公募で募った銘柄「日乃出桃太郎」。若者からお年寄りまで、幅広く親しまれる酒でありたいという願いが込められている。 米どころの窪川地区は、農業の町として発展してきました。「性格的にものんびりとした穏やかな人が多いですね。漁師町とは好まれるお酒も違います」と話すのは、4代目蔵元の文本憲助さんは語ります。高知の酒らしい強めの酸を感じるシャープな酒質とは一線を画す、穏やかな味のまろみは、地元の食文化や人柄につながるものがあるようです。

全量木槽搾り&瓶燗火入れで豊かな風味を実現

蔵の中には、約120年近く歴史が刻まれていました。木の甑(こしき)や木槽(きぶね)搾りなど、古い道具も現役で活躍しています。「木の甑は、断熱に優れているので、外気が冷たくてもお米が水っぽくなりにくい。うちのように大量に蒸さない場合はちょうどいいんです」と小笠原さん。古い道具の利点を生かした手造りの小仕込みを続けています。 木製の板でゆっくりと圧力をかける伝統の木槽搾り。 この数年、県外への販路も増やし、石高も50石、75石と毎年少しずつ増やしています。今年の生産量は、100石。それでもお酒は、全量木槽搾りを続け、瓶燗火入れ、瓶のまま冷蔵庫に貯蔵する行程を貫きます。手間ひまを惜しまず、ブラッシュアップを重ね、目指す酒質を追求。「桃太郎」の名の通り、多くの人に親しまれる存在となりそうです。

[おすすめの一本]「仁井田米でつくった純米酒」

四万十町の窪川地区でつくられる食用のブランド米「仁井田米」の中でも、農薬・化学肥料を抑えてできた特別栽培米「にこまる」を100%使用した純米酒。米の旨みと甘みが引き出された味わい深い一本。冷でも燗でも楽しめる、万能の食中酒。  

文本酒造株式会社

高知県高岡郡四万十町本町4-23
明治36年創業。高知県の中西部、四万十川の源流近くの窪川地域に、唯一残る酒蔵。高知では一番小さな酒蔵として、小規模ながら地元に根ざした酒造りを続けている。創業当時からの銘柄「入駒」と昭和41年に公募により誕生した「日乃出桃太郎」が看板商品。

[蔵内・参考資料]

製麹にたらいを使用。 通常の醪(もろみ)は、タンクで30〜35日間かけて発酵。大吟醸は34〜40日間。 23日目の醪。爽やかな吟醸香が漂う。 以前、使用していた木樽も。 木槽搾りで使用した酒袋を洗う蔵人。 搾った酒は瓶燗火入れ後、冷蔵設備内で瓶のまま貯蔵する。 各銘柄の販売も。
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