【吉田類セレクト】司牡丹・ぼっちり・久礼

前回に続いて吉田類氏監修の土佐酒利き酒セットを紹介する。今回ではや第三弾だ。まだ、第一弾と第二弾をご覧になっていない方は是非、本記事の前に読むと本記事をより楽しめるため、ご覧になっていただきたい。

 

吉田類氏監修、土佐酒利き酒セット第①弾

吉田類氏監修、土佐酒利き酒セット第②弾

 

 今回の土佐酒セットは冷たい料理、温かい料理、高知を代表する鰹料理にそれぞれ合わせて飲むとより一層食事が美味しく豊かになる3本になっている。

 

■吉田類さんが選んだ土佐酒利き酒セット

【類セレクトD】 司牡丹 純米吟醸 美薫/土佐しらぎく ぼっちり 特別純米/久礼 純米吟醸 5,800円

左から「司牡丹 純米吟醸 美薫」(司牡丹酒造)、「土佐しらぎく ぼっちり 特別純米」(仙頭酒造場)、「久礼 純米吟醸」(西岡酒造店)

 

 今回は前回と異なり、出てくる料理と合わせて飲むとより一層、食事が美味しくなる3本セットになっている。カルパッチョなどの冷たい料理にはキリッと冷やした「司牡丹 純米吟醸 美薫」。煮魚といった温かい料理には「土佐しらぎく ぼっちり 特別純米」。高知を代表する鰹料理には「久礼 特別純米」。

 高知の食文化と共に発達していった酒文化を感じさせるようなセットになっている。

 

■司牡丹 純米吟醸 美薫/司牡丹酒造

風情ある街並みが特徴の高知県東西部佐川町にある酒蔵「司牡丹酒造」。その名の由来は大正時代、司牡丹酒造の前進である佐川醸造が商標権問題の際に、佐川の酒を愛飲していた「田中光顕伯爵」から「天下の芳醸なり。今後は酒の王たるべし。牡丹は百花の王。さらに牡丹の中の司たるべし」と司牡丹命名の書籍を貰ったことからきている。

 本お酒は司牡丹酒造を代表する純米吟醸酒の一つであり、すっきりとした純米ならではの味わいで、まさにど真ん中を行く純米吟醸酒である。是非冷やして飲みたいお酒である。

 

■土佐しらぎく ぼっちり 特別純米/仙頭酒造場

自然豊かな高知県東部の村にある酒蔵「仙頭酒造場」。「手造りの酒造り」を大切にし、「米洗い」「麹造り」などほとんどの作業を手造りで丁寧に行なっている。

 本お酒の名前にも使用されている「ぼっちり」は土佐弁で「丁度良い」の意味。熱燗、お燗、冷燗といった様々な飲み方で飲んでも全てトゲがなく丁度良い味わいを楽しむことが出来る。

 米の優しい旨味と土佐酒ならではの辛口の味わい、どんな料理にも丁度良いお酒である。

 

■久礼 純米吟醸/西岡酒造店

 

高知を代表する鰹の一本釣りで有名な高知県高岡郡中土佐町久礼にある酒蔵「西岡酒造店」。酒蔵建造物として高知県で最も古い歴史を持つ。本お酒の名前でもある「久礼」はこの地域の町と漁港を冠したものである。そういった背景からか「魚に一番合うとは言えないが、鰹に一番合うのは久礼だ」と蔵元が言い切っているのも面白い。

 原料の水には四万十川の伏流水を使用しており、しっかりとした芯のある旨味と僅かに苦味を感じることの出来るお酒であり、鰹と共に飲みたい一本である。

 

いかがだっただろうか?

今回はお酒の良さと共に、料理と合わせるとより美味しく飲める方法を提案しつつ3本セットを紹介した。是非今回提案した飲み方を試していただき、土佐酒と食の相性の良さを感じて欲しい。

 

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